鹿児島大学ウミガメ研究会は、1981年に任意団体「アカウミガメ研究会」として設立されました。当初の活動は、吹上浜におけるウミガメの卵の盗掘を防ぐことが目的でした。
吹上浜では昔から、ウミガメの卵は地元住民により食用として親しまれていました。地元の伝統では、発見した卵の半分を残すルールが守られてきましたが、1980年代に全国的な珍味ブームが到来したことで状況は一変します。ウミガメの卵が珍味として注目され、営利目的の乱獲が相次ぐようになりました。
この乱獲を目の当たりにした鹿児島大学水産学部の学生たちが立ち上がり、ウミガメの保護を目的として研究会を設立。活動初期には、盗掘者との衝突も多く、調査用の車両が破壊される事件も発生しました。この出来事は新聞などで大きく取り上げられ、鹿児島県では日本で初めてウミガメ保護条例が制定されるきっかけとなりました。
1986年には鹿児島大学公認のサークルとして「鹿児島大学ウミガメ研究会」が正式に設立され、1988年には鹿児島県ウミガメ保護条例が施行。これによりウミガメの卵の採取が完全に禁止され、盗掘が減少したことで、活動の主軸もパトロールから生態調査へと移行しました。
現在では、保護活動を軸にしながら、調査で得られたデータを基に学会発表や地域貢献活動も展開しています。